Compensation Strategies for Gait Impairments in Parkinson Disease AReview 
JAMA neurology 2019 76 6 718-725

Introduction
すくみ足は、歩行を司る脊髄上位の構造(基底核)などの障害により起こる。特に被殻後部におけるドパミン作動性神経支配の欠落などが、自動的な運動に影響している。一方で、吻側内側線条体に対するドパミン作動性神経支配の欠落が、goal-directed movementに影響しているが、こちらは比較的保たれる。つまり、パーキンソン病においては意識や注意を向けない、自動的な運動が障害されすくみ足が生まれる。自身で運動を開始しにくい時、goal-directed movementは外的刺激により誘発されうる
また基底核障害に加え、遂行機能を司る前頭葉や歩行を司る中脳の障害も起こるため、パーキンソン病では自動的な運動のみならず、歩行に適切な姿勢調節機能なども障害される。パーキンソン病では歩行の際、ボールを突いたり、数を数えることで、適切な歩行パターンを保とうとする。

Method
パーキンソン病患者の歩行、compensation strategyをビデオで撮影。さらにPubmedで文献検索。
freezing gait1
Classification of Compensation Strategies
External Cueing
最も一般的な方法。26/59strategy(44%)であった。table2
聴覚、固有近く、視覚を刺激することで運動シークエンスを活性化する。
例えば、メトロノームをつける、床にしるしをつける、ベルトや杖に突いたレーザーを踏み越えるなど
6研究ではExternal cueingはすくみ足に対して効果があったとしているが、4研究では効果がなかったとしている。ドパミン製剤内服している群で効果がなかったようだが、検出力の低さも指摘されている。
External cueingはgoal-directed behaviorを引き起こし、基本的にパーキンソン病の
goal-directed behaviorはexternal cueにて改善する。compensationは小脳、上頭頂小葉、運動前野、吻側内側線条体を刺激すると考えられている。また、遂行機能低下による運動の選択が適切に行えていない状況では、cueがあることで、葛藤なく、行動を選択できるようになる。
freezing gait2
freezing gait3freezing gait4
Internal cue
パーキンソン病の歩行障害の原因の一部が、自動的な運動の障害であるため、行動を自動的なうんどうから、
goal-directed behaviorへと切り替えていくことである。より前方に注意を向けたり、かかとを毎回鳴らすように歩いたりする。前頭前皮質(前頭前野)や頭頂葉に影響すると考えられている。中には歩く前に人差し指でこめかみを押したり、背中に手を回したり、背中を後ろにたおしたりする患者もいる。

Motor Imagery and Action Observation
運動回路が活性化していない点で、internal cueとは異なる。ほかの人の歩き方を観察したり、イメージしたりする。補足運動や、運動前野、縁上回、上頭頂小葉を刺激する。

Altering the Mental State

地震の後、突然歩行障害が改善するように、何かしらの危険を察知すると、症状が改善することがある。(paradoxical kinesia) Internal cueでは歩行の特定の側面に注意を向けることであったが、Alternaiting mental stateはより全体的な注意を向上させることである。ノルアドレナリン介在性の視床、前頭葉、頭頂葉や、コリン作動性の皮質が刺激される。

Changing the Balance Requirements

すくみ足の場合、片足を上げるときの、側面方向の体重移動が困難な場合がある。その体重移動に姿勢の補正が過度に行われることが、すくみ足の原因となっているようだ。これをただすことで、補足運動やの活動を低下させる。曲がるとき、大きく曲がることが有効である

Adapting a New Bipedal Locomotor Pattern or Using Alternatives for Walking
新しい歩行パターンを習得することで、基底核を介した自動的な運動を使わなくなる。膝を異常に高く上げて歩いたり、横歩きしたり、後ろに歩いたりする。

割愛・・・


感想
すくみ足のstrategyがこんなに分かれていて、それぞれに機序があることが興味深いですね。早速、歩行指導に役立ててみたいと思います。